あまりにもお見苦しい術前写真ですが …。
がんばって眼を開けようとしているときの衝撃映像!!
残念ながら、チェックリストでの結果からも、
まちがいなく眼瞼下垂(がんけんかすい)だろうという確信を持った管理人よしこ。
チェックリストはこちら
ハードコンタクトレンズがおでこのシワの原因だって知ってますか?
いろいろやっても、
なかなか改善してくれないおでこのシワの原因もこれでした…。
写真でも下垂のひどい左側の眉毛の上げっぷりと、
シワのでき方がひどいです。
そこで、覚悟を決めて、
症例豊富な、うまい、保険適用してくれる医師を探しました。
凝り性なもので、医師向けの専門書も買い込み、学習。
今回は実際に受診した経験と、
その上で事前に準備した方が良いと思ったことを書きます。
かなり専門的、マニアック(眼瞼下垂マニアがいれば… ですが)な内容ですが、
ぜひ参考にしてみてください。
受診するときにやっておきたいこと
自分の症状を把握する(問診票が便利)
これはどんな病気でも同じことだとは思いますが、
きちんと自分の症状を説明できるように準備することは、
納得のいく医療を受けるためには大切なことだと、管理人よしこは考えています。
これは、眼瞼下垂の治療例がかなり豊富な、深谷赤十字病院形成外科の問診票です。
ちょっと長くてめんどくさいのですが、
やってみると自分の症状を客観的に把握できました。
わたしは深谷赤十字病院を受診したわけではないので、
これを直接先生にはお出しすることはしませんでしたが、
眼瞼下垂によって起こりうるどんな症状があるのか、ないのか、
ちゃんと整理できたので、やってみて良かったです。
病院ってなんだか緊張してしまって、
あとであれも言えば良かった?、言うの忘れてた? って思うこと、ありませんか?
それを防止するためにもおすすめします。
まぶたが下がっていない頃の写真を持って行く
これは、美容外科受診の場合にはあてはまりません。
自費で、自分のイメージに近づけることができるわけですから、
妥協なく、納得いくまで担当の医師と相談して、
できること、できないことをはっきりさせて手術にのぞんでくださいね。
保険適用での手術というのは、
まぶたが下がってきて開けるのが困難となったり、
あごをあげないと物が見づらくなったり、乱視による視力障害を生じた場合に
認められています。
だから、まぶたを開ける機能を回復させるのが目的です。
何が言いたいかというと、極端に言ってしまえば、
「見た目」は本来の目的とは必ずしも一致しないかもということです。
だから、美容外科医は、
保険診療で出来る眼瞼下垂の手術は、
開きの悪い目を開けるようにするためだけの手術であって、
きれいな二重にしたり、傷跡を目立たなくする事ではないため、
ご自分が望んでいるようにはなりませんとアピールできるわけです。
とはいえ、保険だからと言って、まったく「見た目」が考慮されないかといえば、
管理人の体験では、そんなことはないと思います。
いろいろ調べてみると、
ある先生は「パッチリ・普通・控えめ」の3択で、
眼の開き具合と二重の幅の希望を聞いてくれるそうです。
管理人の場合は、「くっきりが良い?」とだけ… 聞かれました。
でも、正直よくわかりません …。
そんなときに役立ったのが、まぶたがまだ下がっていない頃の写真です。
医師は、今の顔・状態しか見ていませんので、
写真を見せると、イメージしやすいようです。
「下がっていない頃はこんな感じだったんですけど…」と言って見せると、
「ハイハイ、こんな感じね」みたいな。
さて、ドキドキの初診、検査はこんな感じです。
わたしの受診した眼科は、個人病院で、
特に予約は必要ありませんでした。
初診なので、視力検査などの後。
「今日はどうされましたか?」
「眼瞼下垂だと思うので、うかがいました」
自己申告しちゃったので、ハナシは早い。
一般的に眼瞼下垂の検査というと、
まぶたにおもりをつけた状態で、まぶたが上がるかどうかを調べます。
腱膜性眼瞼下垂症(簡単に言うと、生まれつきでない)の人は、
2~3gのおもりをつけるとまぶたが上がりません。
てなことはやりませんでした。
ここからは、あくまでも管理人よしこの体験です。
先生によって、検査の方法や判断は異なる可能性があります。
眼瞼下垂の程度を調べる
角膜反射(黒目・瞳の真ん中)と、上まぶたの縁の距離を測ります。
この距離のことを『MRD』(Margin reflex distance) といいまして、
眼瞼下垂界(というのがあれば)で、最も重要視される数値です。
(PEPARS No.51 眼瞼の退行性疾患に対する眼形成外科手術 より 図の左側の数値がMRDです )
といいますのも、保険適用になるかならないかが決まる数値だからです。
学術的には『MRDが3.5mm以下』になった場合に、
眼瞼下垂症と診断されるということです。
それでは、管理人よしこの場合はこちらです。
MRD2mmということで、軽度ではありますが、
りっぱな眼瞼下垂症です。
挙筋腱膜の機能を評価する
まぶたを上げる眼瞼挙筋からつながっている挙筋腱膜が
瞼板の前面から断裂・剥離してくると、
眼瞼挙筋のパワーが瞼板に伝わらないので、
眼瞼下垂につながります。
挙筋腱膜が瞼板前面から剥離・断裂してくると、
まつ毛の向きが以前より下向きになってきます。
そこで、判断基準として使われているのが、
睫毛下垂(lash ptosis:LP)です。
(PEPARS No.51 眼瞼の退行性疾患に対する眼形成外科手術 より)
管理人よしこの場合、LPR評価では、
左右とも『ー30°』のGrade 2 と、かなりわかりやすいまつ毛下垂状態でした。
だから、目尻部分では、上のまつ毛と下のまつ毛が交錯しちゃってたんですね。
実はマスカラつけるときに、すごくつけにくかったんです。
ミュラー筋の機能を評価する
ミュラー筋も、眼瞼挙筋と並ぶまぶたを上げる筋肉です。
眼瞼挙筋は意識して眼を開けるときに使われていますが、
眼を開けた後というのは、わざわざ「眼を開けておかなくっちゃ!」と思わなくても
開いていますよね。
開けておいてくれるのが、ミュラー筋の働きです。
疲れたり、眠くなったりすると、ミュラー筋はのびて、
まぶたが下がってきます。
長年のコンタクトレンズ使用によって、
ミュラー筋が薄くなってしまったり、伸びてしまうことがあります。
そして、まぶたが下がるわけです。
ミュラー筋の状態を検査するためには、
『アイオピジン』という交感神経作動薬を点眼します。
ミュラー筋を動かす指令を出すのが、交感神経だからです。
『アイオピジン』を点眼することによって、
眼瞼下垂が改善されれば、ミュラー筋が伸びていることによって、
まぶたが開けにくくなっていることが判定できるわけです。
これ、すごいです!
管理人的に手術を決意させたのはこの検査です。
『アイオピジン』を点眼して、約20分待つのですが、
点眼されるとおでこの皮膚がつっぱる、引っ張られるような感覚になりました。
眼の開きも良くなったのですが、
なんということでしょう… おでこのシワが薄くなっているではありませんか!
ハイ、この瞬間に、手術の決意はほぼ固まりました。
保険といえども「見た目」を大切にしてくれる医師を選ぶには
検査の結果も当日わかりました。
『アイオピジン』テストをしたときには、ちゃんと鏡で確認するのですが、
写真撮影もしたうえで、手術すると少なくともこれくらいはまぶたが開くよという目安として、
患者さんへの説明にも使われていました。
「手術するという方向で考えているのですが…」というと、
先生はすぐに術前・術後の比較写真をモニターで見せてくれました。
ここもチェックポイントです!
あらかじめホームページなどでチェックできることが多いと思いますが、
その先生の術後の眼の様子、不自然ではありませんか?
ちゃんとその人に合った感じになっていますか?
治療とはいえ、保険とはいえ、やっぱりセンスってあると思います。
わたしの場合、あらかじめ本でも確認していて、
そのへんは大丈夫だと思っていました。
この先生は『機能』に裏づけされた『美しさ』こそ、
眼形成外科医の目指すべきゴールだと書いてらっしゃったので。
手術日を決めたところで、先生から例の質問。
「くっきりが良い?」
ここで2年ほど前の写真を見せて、基本「くっきり」でお願いしました。
注意事項の紙をもらって、もう次は手術です。
淡々と進みました。
なんかあっけない。
ここから手術日までは、いかにダウンタイムを少なくするか、
腫れを抑えられるか、傷口を早く治すか という研究に入りました。
くわしくは 眼瞼下垂手術前に準備すべきこと、ダウンタイムを短くするには?
に書きましたので、読んでみてください。
実はけっこう腫れましたし、内出血もありましたが、大丈夫です。
ちゃんと引きますから。
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