医療の分野では、
病気やけがで傷んだ臓器や組織を幹細胞で修復する「再生医療」の研究が
近年さかんに行なわれています。
ということは、もちろん化粧品分野でも
幹細胞の研究は、かなり進んできています。
ダメージを受けた皮膚が再生できるんですから!
2012年にノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の
「iPS細胞」の作成も、
幹細胞研究を大きく進歩させました。
細胞自体に直接アプローチする幹細胞研究は、
革新的なエイジングケアの可能性がありますが、
実は同じように「幹細胞コスメ」と言われていても、
どうも内容がちがう種類のものが3種類あります。
いったいどんな違いがあるのでしょうか?
この記事の目次
その1:皮膚幹細胞を増やす成分に着目した化粧品
幹細胞のなかでも、
体性幹細胞とは、身体の各組織に存在し、
特定の細胞になれる幹細胞を指します。
皮膚幹細胞もそのひとつで、
表皮幹細胞と真皮幹細胞があります。
もしも、この細胞へ直接アプローチできる成分や理論が確立したら、
革新的ですよね。
お肌の自己再生力がどんどん早まるわけですから!
日本の各メーカーでも、2002年ころから研究が進んでいて、
それぞれ開発した、幹細胞に働きかけて、増やす成分を配合した
製品が発売されています。
資生堂の『 BOPアドバンストスーパーリストアリングクリーム』
などが、代表的なものです。
その2:植物幹細胞成分を配合した化粧品
植物の細胞を人工的に幹細胞化して、
配合している化粧品です。
これもまた『幹細胞コスメ』です。
樹木の再生力ってすごいですよね。
100年も1000年も成長と再生を繰り返す生命力があるんですから。
研究によって、
植物幹細胞でも、動物幹細胞に作用して、
皮膚幹細胞の機能が強化されるということがわかっています。
植物幹細胞についてはこちらの記事に詳しく書いてありますので、
ごらんください。
幹細胞コスメとは?腐らないリンゴとコスメはどう関係あるのかな?
などが、代表的な製品です。
その3:どちらも兼ね備えた化粧品=皮膚幹細胞にアプローチする植物幹細胞成分
まだまだ製品は少ないのですが、
たとえば、フランスの化学メーカーが開発した植物幹細胞のアンチエイジング原料
「RESISTEM(レジステム)」
「グロブラリアコルジホリア」という、
聞いたことのない植物の幹細胞から抽出されています。
地中海沿岸からヨーロッパの山脈に分布し、
標高2000m、気温マイナス30℃の過酷な条件下に生息しているそうです。
「細胞再生と外傷治癒」
「細胞寿命の延長」
「細胞解毒作用」(抗糖化・抗酸化)という3つの作用があるそうです。
製品としては、アメリカ製ですが、
が代表的ですね。
まだまだ進化しそうな『幹細胞コスメ』
これからも注目していきたいと思います。
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